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高まる新興不動産の連鎖破綻リスク

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高まる新興不動産の連鎖破綻リスク

商工ローン大手SFCGの破綻により中小企業の資金繰り、中でも不動産ファンド大手のパシフィックHDの優先株発行の帰趨など特に新興不動産企業の資金繰り悪化による連鎖破綻リスクが懸念される。パシフィックは26日のリミットを一応「中国マネーから、銀行が受ける焦げ付き被害は一部外資系のみで極めて軽微であり、未曾有の信用リスクに覆われ「陰の極み」にある日本株への影響も悪材料出尽くしに向けた底入れ模索の一環に過ぎないと見られる。

SFCG破綻でパシフィックへの影響注視

「先週末20日に社長が急遽交代し、東京地裁への民事再生法申請が23日早朝7時という事態を勘案すれば、過払い金減免を狙った事実上の計画倒産の可能性が高い」とある信用調査会社幹部は打ち明ける。
つまり、返済や支払いを無効にするための周到な倒産劇であり、こうした破綻劇は銀行などの焦付きが比較的軽微なケースが多いとされる。
確かに、SFCGは主要取引行6行と1500億円規模のコミットメントラインが存在したが、うち700億円がリーマン・ブラザーズ証券(08年9月16日民事再生申請で破綻)、新生信託銀行(700億円)、バイエリッシュ・ヒポ・フェラインス銀行(500億円)など事実上、外資系金融機関が多く大手銀行及び地銀へのダメージは軽微とされる。
 ただ、2月26日に予定される不動産ファンド運営大手パシフィックHDの資金調達リミットへの影響など新興不動産企業の資金繰り悪化への影響が懸念される。
 パシフィックHDは昨年12月19日に中国系企業から調達予定の約477億円のうち、約6億5000万円を受け取っているが、2月26日に約470億円の優先株発行を予定、中国企業から260億円が入る予定だった。
ところが、「入金の確約を得た」と26日の株価はストップ高となったが、実際の入金は先送りされた格好なり、銀行団を説得できるか疑問が残る。
仮にパシフィックの調達に支障がでれば、「ケネディクトなど他の新興不動産企業の連鎖破綻につながるリスクがあり予断は許されない」(同筋)。
パシフィックは日本レジデンシャル投資法人や日本コマーシャル投資法人を傘下に置く不動産ファンド運用会社で、REITと私募ファンド、自己勘定の不動産と合わせた08年11月期末の運用資産残高は8535億円とダヴィンチに次ぐ国内第2位。
一方、そもそもSFCGの凋落は、06年12月の改正貸金業法に伴うビジネスモデル終焉から始まった。その後、事業環境の急変に対応すべく事業再構築を目指して新興不動産企業への2-3ヶ月短期融資にのめり込んだが、今度は07年夏以降のサブプライム住宅ローン問題を契機とした金融危機に直撃された。
貸付先比率が大きい不動産・建設、金融・保険の急速な業況悪化に大幅な収益減を余儀なくされ、とくに昨年のアーバンコーポレーション破綻後からは新規の資金調達が不能となった。そして、08年9月のリーマン破綻後はさらに惨状へと陥り、結局、新興不動産への融資強化が金融危機の直撃を受けて裏目に出た。
さらに、以前からくすぶっていたコンプライアンス問題が再燃し、銀行融資が一層厳格化されて新規の資金調達の道が絶たれる。もともと、ハイリスク貸付が多く恒常的に不良債権が発生していたが、それでも07年7月期の最終損益は146億円の黒字を確保した。
しかし、「リーマン破綻後は債権回収を急ぐ余り一部顧客に元利金一括返済を要求する強引な回収手法がテレビ(TBS)で放映されて風評が悪化」(同筋)、公募増資や保有株式売却による資金調達の道も絶たれ、今回約100億円の融資案件が頓挫、2月決済金75億円が調達できずあえ無く破綻を余儀なくされた。

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